脳神経外科学分野/腫瘍病態学分野

棗田 学 准教授


インタビュー

現在の主な研究内容についてお聞かせください。

 うちのラボのメインの研究テーマは、悪性脳腫瘍培養細胞株を用いた治療研究およびリキッドバイオプシーなどによる悪性脳腫瘍の低侵襲診断であります。しかし、悪性脳腫瘍に限らず、良性脳腫瘍、てんかん、神経再生、脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの脳血管障害を含め、幅広い研究テーマ(興味)を持った脳外科医、研究者、学生が集まってラボを形成しています。

これまでのご経歴や、脳研究所で研究されることになった経緯についてお聞かせください。

 私は2003年より所属の脳神経外科医であります。大学院時代には高橋均先生、柿田明美先生の下で神経病理を学びました。その後、2013年〜2016年までポスドクとして米国・Johns Hopkins大学神経病理学部門Charles Eberhart先生の教室で脳腫瘍培養細胞を用いた研究に従事し、臨床で持った疑問点に関して病理学的検索やバイオインフォを用いた検索を行い、さらに、培養細胞系あるいはマウス頭蓋内腫瘍移植モデルを用いて検証するというアプローチに辿り着きました。2016年に留学から帰国後、成人および小児悪性脳腫瘍の臨床に従事しながら、ラボでの研究も行っています。

脳研究所における研究環境の魅力についてお聞かせください。

 脳研究に特化したラボが多く集まっており、すぐに相談できる環境が一番の魅力です。自分だけでは解決できない問題でも、気軽に相談できるので、共同研究がいくつも生まれます。病理診断に関しては柿田先生をはじめ脳研病理の先生方と、脳画像の疑問点に関しては岡本浩一郎先生に相談できます。統合脳機能研究センターとの共同研究でMRスペクトロスコピーを用いてグリオーマにおけるIDH遺伝子変異を予測したり、上野将紀先生との共同研究で脳動静脈奇形マウスモデルを作成したり幅広い研究が脳研究所では可能であります。

研究・仕事をする上で大切にされていることやモットーなどはありますか。

 「研究は楽しくないといけない。」と「患者のためになる研究をするべき。」がラボのモットーです。楽しくないと続きませんので、うちのラボで行う研究のテーマは、与えられるものではなく、研究者が興味を持っているテーマをなるべく研究して貰うようにしています。また、臨床のラボの役割を踏まえて、「研究のための研究」とならないように、患者さんや疾患の理解・治療に役立つ研究のみを行っています。

この仕事ならではの面白さややりがいについてお聞かせください。また、ご苦労される点がありましたら併せてお聞かせください。

 今まで診断が遅れると治療が困難であった血管内リンパ腫を、血液1mlを用いてたった3時間で診断が可能となりました。稀少な悪性脳腫瘍で悪性転化を来す機序や、培養細胞株を樹立して新規治療法を提案できるようになると、大きなやりがいを感じます。逆に苦労している点としては、稀少腫瘍であるがゆえに、多額の研究費を取得したり、治療のアイデアがあっても治験を行う協力企業、資金面での支援を獲得するのが困難なことが多い点です。

終業後や休日はどのようにお過ごしでしょうか。趣味やリフレッシュ方法がありましたらご教示ください。

 週末は学会・研究会が多く、ゆっくり休むことも少ないですが、出張先でジョギングしたり、その土地ごとのグルメを味わったりすることでリフレッシュしています。

今後の目標や展望についてお聞かせください。

 今後の目標は稀少悪性脳腫瘍の新規療法を編み出し、確立させてその生命予後を劇的に改善させることです。とても根気を要し、時間も費用もかかりますが、目標に向かってラボのメンバーと着実に先進します。

脳研究所で研究したいと考えている方、脳研への大学院進学を検討中の方へのメッセージをお願いいたします。

 脳腫瘍患者の診断や治療に直結する研究ができます。テーマは多くあり、興味のある研究分野をとことん追究できます。ラボで完結させられない研究に関しては、国内外の多くのラボと共同研究を展開しています。まずは、気軽にお声かけ下さい。ラボHPのURLはhttps://niigatabri-brain-tumor-biology.comです。

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Interview・・・2026年7⽉時の所属とインタビュー内容を掲載しています
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