モデル動物

メンバー

教授(兼)
笹岡 俊邦
SASAOKA Toshikuni

准教授
阿部 学
ABE Manabu



研究概要

当分野の研究目的は、記憶・学習など脳高次機能の分子機序を解明することであり、そのために分子生物学および発生工学の手法を用いて研究を進めています。中枢神経系を構成する神経細胞はシナプスという構造を介して情報を伝達しますが、当分野では、シナプスに存在し神経伝達や可塑性発現への関与が示唆されている分子に焦点を絞り解析を進めています。脳機能解析に適したC57BL/6N系マウスES細胞を用いた標的遺伝子組換え法により、当該分子を欠損あるいは改変したマウスを作出し、これらの遺伝子改変動物の表現型を行動学的、組織学的、生化学的、電気生理学的手法や、新規開発された最先端の技術を駆使して解析することで、各分子が担っている生理機能を個体レベルで明らかにしています。また、神経疾患に関連する遺伝子を標的として、ヒト神経疾患モデル動物の開発とその解析も行っています。近年、マウスと比較して非常に困難であると考えられてきたラット胚性幹細胞の樹立と遺伝子改変ラット作製にも成功し、さらにゲノム編集技術を適用することで、より洗練された遺伝子改変動物作製技術の開発を遂行しています。さらに、遺伝子改変動物作製に関わる技術者の育成にも力を入れています。

(左上)当分野で樹立されたC57BL/6N系マウスES細胞であるRENKA細胞。
(左下)マイクロインジェクション法によるキメラマウス作製。ICRマウス8細胞胚中にわずか数個のES細胞を注入することで、全細胞がES細胞由来のマウス(100%キメラマウス)が作製可能です。
(右)作製されたキメラマウス。毛色が黒色に近いほどES細胞に由来する細胞の比率が高くなります。右端の黒色マウスは100%キメラマウスです。

当分野で樹立されたSD系統ラットES細胞より作製された遺伝子改変ラット。
(右)マイクロインジェクション法により作製されたキメララットと野生型ラットとの交配により得られた3頭の産仔。
(左)全身性に蛍光タンパクVenusを発現するベクターを導入したES細胞由来の遺伝子を有する1頭が黄緑色に光っています。

「自己免疫性脳・脊髄炎関連自己抗体の検査」をご希望の方は、メールにてこちらまでご連絡下さい

このページの先頭へ戻る