メンバー教授 |
研究概要脳疾患~アルツハイマー病・パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症などの神経難病、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、そして更には発達障害・精神疾患など~はその多くが治療や対処が困難で、罹患数が多い疾患や障がいも多く、医学的・社会的に非常に重要な課題です。 脳疾患というと非常に複雑でヒト特有のものと考えられるかもしれません。しかし様々な生き物がヒトと同様の脳疾患に自然経過や老化の過程で罹患します。例えば私たちの研究室ではアフリカメダカが老化の過程でパーキンソン病に非常に酷似した病態を呈することを明らかにし、そのことからヒト脳疾患の新たな病態解明に繋がる知見を多数得ています。様々な動物の認知症も時折ニュースや論文レベルで散見されます。さらにパーキンソン病の原因分子であるαシヌクレインは魚類から登場する分子であり、アルツハイマー病の原因分子であるアミロイド前駆タンパク質は進化の過程で魚や昆虫にも存在します。 私たちの研究室では、小型魚類を中心とした様々な研究対象・最新の脳病態科学と進化学的手法・脳研究所が誇るブレインバンク・20~50年後のAIができない研究手法を融合します。そして脳疾患の進化的な起源を解明すること、脳疾患の原因となる分子の生理機能の理解などに立脚した脳病態の根本的な理解をすること、その両輪を相乗的に前進させ〈1.難病を克服する2.障害を支え合う3.科学の歴史を刻む〉の3つを目指します。脳疾患の本質を明らかにし、克服すべき脳疾患に対する研究成果は産学連携・創薬研究・予防医学などに発展させ、その治療と人々の健康長寿に貢献します。一方で、共存すべき障がいや老化とはどのようにして共生していくかを積極的に提案します。 |
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小型魚類の脳神経系。マゼンダはTH陽性のドパミン及びノルアドレナリン神経。
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アフリカメダカは加齢及びαシヌクレイン依存性にパーキンソン病様の表現型を呈する。