細胞病態学分野

内ケ島 基政 准教授


インタビュー

内ヶ島博士は北海道大学大学院で博士号を取得後、北海道大学大学院助教、米国マサチューセッツ州立大学研究員を経て、現在は脳研究所細胞病態学分野でシナプス分子の分布に関する研究を進めています。

これまでの研究を教えて下さい。

私たちの脳内では様々な情報のやり取りがなされています。それを主に担っているのがシナプスです。シナプスは記憶や学習に伴ってその機能的を変化させることが知られる上、その異常は精神神経疾患の原因とも考えられていますので、シナプスの理解は神経科学において重要なテーマの1つです。私はこれまでに抗体を用いて分子の分布を可視化することで、シナプスがどのような分子によって構成されているのかを明らかにしてきました。

脳研究所で研究することの魅力は何でしょうか?

規模がちょうど良いことだと思います。脳研究所は脳神経科学をカバーする他の研究所に比べると小規模ですが、少数精鋭による先端的な研究が行われると同時に、他のラボに触れる機会も多いことから、融合型の研究を進めるのに良い土壌が整っていると思います。さらに研究を支える設備が優れているのはもちろんのことですが、優れた事務職員や技術職員の方々が家族のように私たちの研究をしっかりとサポートしてくださいます。

現在取り組んでいる研究と今後の目標を教えて下さい

「顕微鏡を使って世界中で今まで誰も見たことのないニューロンの姿を見ることに研究の面白さを感じています。特に、脳研が得意としている分子標識技術を用いることによって、シナプスの機能分子を生きた1つのニューロン丸ごとから観察することが可能になりつつあります。
究極的な研究目標は神経伝達の基本素子であるシナプスを構成する全ての分子の挙動を脳の活動下で観察かつ理解することです。これは現時点にて技術的にとても難しい目標ですが、脳研では多様な研究が行われておりますので、それらを応用して新たなブレイクスルーを生み出したいと考えています。

Interview・・・2021年1月時の所属とインタビュー内容を掲載しています
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