診療活動は、脳神経外科と脳神経内科の2診療科によって行われていますが、特徴的なことは、2診療科ともその外来診療はもちろん、病室、手術室、レントゲン室など、すべて診療活動が新潟大学医歯学総合病院内で行われていることです。このことは脳神経系が人体の最も重要な部分であるという当然の事実を診療面にあらわしているもので、これら2診療科は常に関連する医学部の臨床各科、たとえば精神科、外科、内科、眼科、耳鼻科、放射線科、小児科、整形外科などと緊密な連絡のもとで、受診者に適切な治療を行っています。
脳神経外科は、毎週月・水曜日の午前中外来患者の診療を行っています。県内・県外の関連病院から脳腫瘍、脳血管障害、小児先天奇形など多数の症例が紹介されています。入院ベッドは現在30床で、手術は火・木・金と週3回、脳血管内手術は水、その他緊急手術は即時行い年間約400件の脳神経外科手術(脳血管内治療を含む)を行っています。高難度な頭蓋底手術、内視鏡や外視鏡を使った低侵襲手術、脳血管内治療など多岐にわたる治療を教室員一丸となって取り組んでいます。
脳神経内科は月~水・金曜日の午前中外来診療を行っています。患者は県内のみならず県外からも紹介され、例年延べ1万人以上の入院患者を診療しています。その患者の内訳は、認知症、脱髄、変性、代謝性、筋及び脳血管障害など多岐にわたります。
こうした研究所内あるいは医学部内において行われている活動と並んで、脳神経外科は29の、脳神経内科は26の県内外の関連病院を有し、それらの地域で診療の中核的役割を果たしています。
病理学分野では、本学脳神経外科はもとより全国の大学、病院から依頼される脳腫瘍、てんかん原性病変、脳血管障害例などを中心に年間約400例の生検例の病理組織学的検索を、また本学脳神経内科ならびに脳神経外科、それらの関連病院をはじめとし、さらに医学部病理学教室との共同検索例も含め、年間約40~50例の剖検例の検索を脳科学リソース研究部門と共に行っています。