2026年09月10日

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第56回新潟神経学 脳研セミナーを開催しました

 2026年8月27日(木)から28日(金)の2日間にわたり、第56回新潟神経学脳研セミナーが開催されました。昨年に続き、講演会と研究室見学・体験を組み合わせた形式で実施し、初日の講演会には64名の皆さまにご参加いただきました。

 初日には、神経変性疾患の病態から脳機能の進化、最新の解析技術まで、多彩な講演が行われました。他田真理先生からは、ひと剖検脳の神経病理学的解析に単一核RNAシーケンシングや空間トランスクリプトーム解析を組み合わせ、病変部位におけるグリア細胞の変化や細胞間相互作用を捉える研究をご紹介いただきました。吉田恒太先生は、生物種間のゲノム比較を通じて、脳の病気や発症メカニズムが進化の過程でどのように成立してきたのかを探る研究について講演されました。続く加藤泰介先生からは、脳血管の老化に焦点を当て、脳小血管病における血管の線維化やDNA損傷に伴う細胞老化について、遺伝性疾患の研究から得られた知見をご紹介いただきました。

 続いて、本学医学部の長谷川功先生より、イメージ、こころの理論、言語といった人間らしい認知機能の要素を非ヒト霊長類に探る研究について、認知行動課題と皮質脳波法を用いた成果をご紹介いただきました。また、大阪大学の新間秀一先生には、脳組織における分子の分布を可視化する質量分析イメージングについて、測定原理や試料の前処理から、神経伝達物質や代謝物の解析への応用まで幅広くご講演いただきました。

 さらに、筑波大学の史蕭逸先生からは、睡眠要求と大脳皮質のシナプス強度の関係を中心に、睡眠の機序や機能、進化的起源を比較生物学の視点から考える研究をご紹介いただきました。最後に、理化学研究所の吉原良浩先生より、いまだ多くの謎が残る脳領域「前障」に着目した研究についてご講演いただきました。前障の神経細胞を選択的に可視化・操作できるマウスを用い、光遺伝学や電気生理学、神経活動イメージングなどを組み合わせて、その機能を解き明かす研究戦略と最新の知見をご紹介いただきました。

 講演会のアンケートでは、回答者全員から「大変良かった」または「良かった」との評価をいただきました。「非常に貴重な機会でした。とても有意義でした」との感想も寄せられました。

 2日目には、各研究室における見学・体験コースが行われ、23名の皆さまにご参加いただきました。参加者からは、ひと剖検脳の観察や遺伝子変異を探す体験、透明化した標本や標識された神経の観察などが印象に残ったとの感想が寄せられました。また、「このセミナーを通じて、より進学したい気持ちが強まりました」との声もあり、研究の現場に触れることが、将来の進路を考えるきっかけとなったことがうかがえました。

 ご講演いただいた先生方、見学・体験コースをご担当くださった先生方、そしてご参加いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。

(文責:新潟脳神経研究会企画委員長 田井中 一貴)

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8/27 講演会

8/28 研究室見学・体験コース

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