「多発性硬化症と視神経脊髄炎の神経変性」の総説がJournal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry誌に掲載されました

2016年11月04日

概要

神経内科学分野の河内泉 講師とオーストリア ウイーン大学のHans Lassmann教授による「多発性硬化症と視神経脊髄炎の神経変性」の総説が,Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry誌に掲載されました。 (2016年9月26日オンライン版. J Neurol Neurosurg Psychiatry doi:10.1136/jnnp-2016-313300)

多発性硬化症と視神経脊髄炎は中枢神経系自己免疫疾患の代表的疾患です。若年成人に好発し,近年になり患者数が急増している疾患であることから (図),特に欧米では「どのように治療・予防するのか?病気を持ちながら仕事・学業をどのように行っていくか?」が社会の中で盛んに議論されています。本疾患は,アルツハイマー病やパーキンソン病と並び,注目度が高い三大神経疾患です。近年,本疾患に様々な疾患修飾薬が開発され,本疾患の炎症性再発は抑止されつつありますが,しかし未だに「神経変性機構」を背景とした病態 (進行型多発性硬化症など) には有効な治療法が殆どなく,アンメット・メディカル・ニーズの高い領域と位置付けられています。本総説では,欧州の多発性硬化症・視神経脊髄炎の病理学研究の第一人者であるHans Lassmann教授と共同で,本疾患の「神経変性」に着目した研究成果と治療法開発に向けた今後の課題を紹介しています。多発性硬化症の研究が盛んな欧州と,視神経脊髄炎の研究が盛んな日本でタッグを組み,国際共同研究を推し進める必要があります。

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多発性硬化症と視神経脊髄炎の日本の患者数 (人) の推移 (厚生労働省 難病対策提要と衛生行政報告例による特定疾患医療受給者証所持者数の推移)

研究分野

研究成果・実績
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