第53回新潟神経学脳研セミナーが開催されました

2024年3月5日（火）に、第53回新潟神経学脳研セミナーが開催されました。

　新しく着任した先生方の研究を紹介し、10名以上の若手の先生方による研究発表の場として位置づけるため、昨年に続き、脳研内での活発な交流を促進するオンラインセミナーを企画しました。

　第一部では特別講演として、1月にご着任されました吉田恒太先生より『ゲノム多様性研究と進化脳病態学への展開』というタイトルでご発表頂きました。本研究所では、ヒト脳疾患の起源解明に向けて進化学的な視点を取り入れた融合研究を展開しております。今後の所内での新たな共同研究に向けた貴重な知見が得られました。

　第二部は着任１年未満の先生方に略歴とこれまでに取り組んでこられた研究概要、これから取り組まれる研究内容をご発表いただきました。また、本研究所に在籍中の大学院生の方より自己紹介・研究紹介をして頂きました。

　本研究所では、2021年度より若手研究者を中心に『ひと脳地図の刷新による脳疾患の解明と克服－多階層情報を統合した21世紀ブロードマン脳地図－』に関する公募型プロジェクト研究を推進しております。第三部では、当該事業の第一期に採択された先生方の最終年度研究発表会を実施しました。シナプスレベルからヒト脳全体のマクロレベルでの空間的脳地図や、ヒトおよび種々のモデル動物における網羅的な遺伝子解析による機能的脳地図の作成についての活発な議論が行われました。脳の構成細胞の多様性、各領域間の機能的、解剖学的結合の最新知識を加味した"新しいひと脳地図"の作成が期待できる素晴らしい進捗報告会となりました。