2022年03月02日

イベント

第12回新潟大学脳研究所共同研究拠点国際シンポジウムを終えて

 2022年2月24日(木)、新潟大学脳研究所においてBRI国際シンポジウム「The Old and New Crossroads of Microorganisms and Neurodegeneration」が開催されました。海外からはVera Gorbunova先生 (University of Rochester)、Matthew R. Chapman先生 (University of Michigan)、Nan Yan先生 (UT Southwestern Medical Center)、Chaogu Zheng先生 (University of HongKong)の4人の講演者、国内からは7人の講演者による講演がありました。95人にご参加いただき、お陰様で盛況なシンポジウムとなりました。

 今回は神経変性疾患の病態と微生物-感染症病態との比較的以前より話題になっている共通点と、近年明らかになりつつある新しい類似点、を切り口に神経変性疾患の病態を議論しました。Vera Gorbunova先生、Nan Yan先生、高橋暁子先生、福田慎一先生、松井からは自然免疫と老化や神経変性疾患あるいは眼疾患の関連について最新の研究成果が報告されました。藤井雅寛先生からはウイルス性の神経変性疾患と非ウイルス性の神経変性疾患の病態に関する詳細な研究報告がありました。Matthew R. Chapman先生、Chaogu Zheng先生、三宅幸子先生からは腸内細菌と神経疾患の相互の密接な関係とそのメカニズムに関する最新の知見が発表されました。坂口末廣先生はプリオン、富田泰輔先生はアミロイドβ、という神経を感染症のように伝播していくとされる2つのタンパク質-ペプチドについての最先端の取り組みが紹介されました。プリオン様の伝播、腸内細菌、自然免疫という神経変性と微生物の重なり合う、そしていずれも非常に病態の中心をなす現象についてとても活発な議論がなされ、大変に有意義なシンポジウムとなりました。

 最後に、本シンポジウム開催にあたり、ご講演頂いた先生方、ご参加頂いた先生方、シンポジウムの準備・運営にご尽力頂いた事務の皆様方に心より感謝申し上げます。

(文責:脳病態解析 松井 秀彰 教授)

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