2012年12月25日

イベント

第3回新潟大学脳研究所共同研究拠点国際シンポジウムを終えて

平成24年11月15日(木)『第3回新潟大学脳研究所共同研究拠点国際シンポジウム』を開催致しました。今回は、「The time has come for Asia to lead Clinical Neuroscience」を主題とし、日韓学術交流も兼ねて、韓国から8名と日本から3名の演者をお招きし、臨床神経科学についてのシンポジウムを行いました。

韓国からは、Hee-Won Jung先生にSeoul National University Hospitalの約1万件の手術症例の総括をしていただき、Chun Kee Chung先生には、eloquent近傍の腫瘍摘出に関わる内容を、Chang Jin Kim先生には、Trigeminal Neuromaの豊富な手術経験に基づく臨床検討について、Seung Hoon Lee先生には癌性髄膜症の新たな治療法に関して講演をいただき、Min-cheol Lee先生から放射線療法・化学療法後の病理組織の変化について、Sung-Hye Park先生には膠芽腫のvariantに関する詳細な臨床病理学的分析についてお話しいただきました。またZhang-Hee Cho先生に7T-MRIによるヒト脳の微細構造描出やMRI-PETに関しての最先端のご講演を拝聴できました。日本からは、北海道大学の宝金清博先生に、もやもや病に関して基礎から臨床までの幅広い内容のご講演いただき、脳研究所の藤井幸彦先生からは、大脳皮質の機能再構築に関しての興味深いお話しをいただきました。また統合脳機能研究センターの中田力先生からは、シンポジウムの最後を飾るのに相応しいオートレギュレーションに関わるアクアポリン4の分子メカニズムの先進的なお話をいただきました。座長としては、福島県立医大の齋藤清先生や東北福祉大学の小川誠二先生をはじめとして、脳研究所の五十嵐博中先生、柿田明美先生、松澤等先生、福多真史先生に御参加いただきました。ポスター発表も行い、広く脳外科疾患に関わる研究についての展示・議論を致しました。

1日間のシンポジウムに参加することにより、手術実践から最先端の研究と多岐にわたる臨床神経科学の分野を凝縮して勉強することができました。懇親会でも、韓国の先生方は和食と日本酒を堪能され、短いながら日本滞在を満足されたようです。日韓学術交流も兼ねた今回のシンポジウムは、大変実り多く、成功裏に終了できたと思っております。シンポジウムに参加していただきました先生方、運営・進行に尽力いただきました関係各位に感謝申し上げます。

今回参加いただいたJung先生が会長を務められる第15回世界脳神経外科学会議が来年ソウルで開催されます。今度は我々が参加させて頂き、国際交流の輪を広げながら自分たちの見識を積み重ね、質の高い医療・研究につなげていきたいと考えております。

脳神経外科 青木 洋

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