分子神経疾患資源解析学分野

メンバー

教授(兼)
小野寺 理
ONODERA Osamu

准教授
加藤 泰介
KATO Taisuke

助教
小池 佑佳
KOIKE Yuka

研究概要

脳に独自の様々な病気がありますが、その多くは根本的な治療法がありません。我々の研究室では、脳の特性に注目し、これらの病気の新しい診断方法、治療方法を開発することを目標としています。脳の組織の特性は、その張り巡らされた特殊な血管機構と、構成する特殊な細胞群にあります。また、脳の疾患の特性は、特定のタンパク質が特定のシステムに蓄積するというシステム選択性にあります。この組織と病気の特性に注目することが重要です。脳研究所は、ヒトの病理標本を多数保有し、ヒトの脳疾患を研究する上で大きな利点があります。この利点を生かし、疾患脳で、これらの特性を理解し、その異常を解明することを目指しています。現在の研究課題は、1)TDP-43の関連する筋萎縮性側索硬化症でのRNA代謝のゆらぎ、2)脳血管性認知症に於ける神経血管連関と、それを支える壁細胞生存メカニズムの解明、3)ポリグルタミン病の進行抑制治療法とその評価方法の開発です。全く新しい視点で、神経疾患の克服を目指しています。
  • 遺伝性脳血管性認知症CARASILでみられる
    脳小血管の異常。
    A,B)CARASIL患者の脳小血管
    C,D)Control患者の脳小血管
    A,C)Elastica Van Gieson染色
    B,D)TGF-β染色
    scale bars;100μm
    CARASIL患者の血管壁では強い壁細胞変性と
    TGF-βの蓄積を認める。
    Hara k, Shiga A, et al. N Engl J Med.2009
    を一部改訂

  • ALS運動神経細胞内のTDP-43 mRNAの分布。
    A,C)Control患者の脊髄運動神経
    B,D)ALS患者の脊髄運動神経
    A,B)Hematoxylin染色
    C,D)TDP-43 mRNA in situ hybridization
    ALSの運動神経細胞では細胞質の
    TDP-43 mRNA比率が増える。

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