新潟脳神経研究会特別例会のご案内

2023年5⽉25⽇(⽊)新潟脳神経研究会特別例会を開催します。是非ご参加ください。

日 時

2023年5⽉25⽇(⽊)17:00〜18:00

チラシはこちら

230525thumb.png

会 場

新潟大学脳研究所 A棟 1階 検討会室
(新潟市中央区旭町通1-757)

講演者

九州⼤学⼤学院システム情報科学研究院・
准教授

備瀬 ⻯⾺ 先生

内 容

"バイオメディカル画像解析におけるラベル効率的な機械学習"

 様々な⽣命現象を捉えた画像を深層学習等の機械学習を⽤いて解析する際には,⾃動識別器を学習するために,画像に加えて正解ラベル(教師)を作成する必要がある.しかし,⽣物分野においては,正解ラベル作成には,専⾨知
識が必須であり,⼀般物体認識タスクと⽐べ,教師データ作成コストが格段に⾼く,⼤量のデータを保有していたとしても,正解ラベルを⼤量に作成することが難しい.
 本発表では,このような課題を解決するための効率的に付与されたラベルを⽤いた学習⼿法(Label Efficient Learning)とそのバイオメディカル画像解析への応⽤例について紹介する.例えば,Label Efficient Learning の代表例として,少数の教師データに加えてラベルが付与されていないその他のデータ(教師なし)を効果的に活⽤する半教師学習がある.他にも,直接的な教師データではないが,間接的にそのタスクの答えに関係がある情報(弱教師)を⽤いた学習を弱教師学習がある.⽣命科学及び医学分野においては,データ収集時にこのような関連する情報を取得済みであることが多く,完全な教師データ作成に⽐べてはるかに簡便に取得できることが多い.このような簡便に取得可能な弱い教師を⽤いて,関連するタスクを解くことを可能とする.これらの学習⼿法の問題設定の概要を紹介した後,具体例をいくつか紹介する.
 弱教師学習の具体例として,癌種割合い(弱教師)を⽤いた病理画像の癌種別のセグメンテーションを紹介する.セグメンテーションにおいて,通常の教師あり学習を適⽤しようとすると,⼤量の病理画像に対して,癌種ごとの領
域の境界を専⾨家がアノテーションする必要がある.⼀⽅,1 枚の病理画像に対して,癌種Aは約70%,癌種Bは20%,癌種Cは10%というように癌種のおおよその割合が診断情報として既に得られている.この癌種割合い情報は,領域のセグメンテーションという解きたいタスクの答えではなないが関連した情報であり,弱教師として考えることができる.我々は,少量の教師データと⼤量の教師なしデータに付与されている癌種割合い情報(弱教師)を活⽤することで,セグメンテーションの精度改善を可能とする⼿法を開発した.また,他にも細胞画像解析における細胞検出,セグメンテーション,追跡といった学習タスクを例として,弱教師や教師なしデータを有効に活⽤して学習する⼿法について紹介する.

問合せ先

脳研究所事務室 
TEL: 025-227-0388(内線0388), Email: seminar@bri.niigata-u.ac.jp

このページの先頭へ戻る