新潟脳神経研究会特別例会のご案内

2022年10月28日(金)新潟脳神経研究会特別例会を開催します。是非ご参加ください。

日 時

2022年10月28日(金) 14:00〜15:00

チラシはこちら

20221028 特別例会チラシ.pdf
会 場

新潟大学脳研究所 A棟 1階 検討会室
(新潟市中央区旭町通1-757)

講演者

米国・マサチューセッツ州立大学 チャン・メディカルスクール・准教授

二井 健介 先生

内 容

"シナプス前末端接着因⼦、Neurexin、を介したセロトニン神経系の制御機構"

 セロトニン神経系は睡眠・摂⾷といった本能⾏動から情動・認知機能まで多岐にわたる中枢機能を制御しており、セロトニン神経系は精神疾患薬のターゲットになっている。セロトニン神経系は、グルタミン酸や GABA 等のシナプスを介した伝達様式(synaptic transmission)よりも、拡散伝達(volume transmission)を主な伝達⽅法としている。グルタミン酸や GABA シナプス伝達は、シナプス間隙に局在するシナプス接着因⼦の結合を介してシナプス機能の制御が⾏われていることが知られており、シナプス前末端に局在するシナプス接着因⼦の Neurexin (Nrxn)は、シナプス後部の Neuroligin をはじめとした接着因⼦と結合することにより、シナプス伝達機構の形成・制御を⾏っていることが明らかになっている。
⼀⽅、セロトニン拡散伝達における Nrxnの機能は未だに明らかになっていない。
セロトニン神経系の発達異常は⾃閉症に関連があると考えられており、抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、⾃閉症患者へ最も処⽅されている薬の⼀つである。更に Nrxn 遺伝⼦の変異は⾃閉症・統合失調症と関連していることが明らかになっていることから、セロトニン神経系におけるNrxn の役割を解明することは、拡散伝達の分⼦機構を明らかにするのみならず、⾃閉症におけるセロトニン神経系異常の分⼦機構の解明に繋がることも期待される。本プロジェクトでは、新潟⼤学脳研究所の⽀援を受け、セロトニンニューロン特異的 Nrxn ノックアウトマウスを作製し、分⼦⽣物学、解剖学、電気⽣理学、⾏動学的解析を⾏った。本セミナーでは、未発表データを基に Nrxn がセロトニン神経系に及ぼす影響を議論する。

問合せ先

脳研究所事務室 
TEL: 025-227-0388, Email: seminar@bri.niigata-u.ac.jp

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