新潟脳神経研究会特別例会のご案内

2023年4月6日(木)新潟脳神経研究会特別例会を開催します。是非ご参加ください。

日 時

2023年4月6日(木) 17:00〜18:00

チラシはこちら

20230406 特別例会チラシ_2.pdf
会 場

新潟大学脳研究所 A棟 1階 検討会室
(新潟市中央区旭町通1-757)

講演者

名古屋⼤学⼤学院医学系研究科・神経内科学・教授

勝野 雅央 先生

内 容

"孤発性神経変性疾患に対するリバース TR"

 脳神経内科の分野では近年、多くの難治性疾患に対して根本的治療法が開発され、薬事承認を経て診療に⽤いられている。その背景には、ゲノムを中⼼として病態解明が進み、核酸医薬などの新規治療モダリティが実⽤化され、さらに治験をサポートするためのレジストリなど研究体制が充実したことが挙げられる。これまで成功している治療法開発の多くは、単⼀遺伝⼦疾患に対して原因遺伝⼦や蛋⽩質を直接標的とする治療法であり、原因遺伝⼦を導⼊した動物モデルに対する⾮臨床試験から治験へと展開するトランスレーショナルリサーチ(TR)が主たる開発⼿法となっている。⼀⽅で孤発性神経変性疾患は単⼀の遺伝⼦変異を原因としないため、遺伝⼦改変動物モデルの作製や病因分⼦を標的とした治療薬探索など、従来の TR で⽤いられてきた⼿法が適応しづらいという課題を抱えている。そのため、バイオマーカーや iPS 研究などを通じてヒトの病態を正確に把握し、それに基づいて治療標的分⼦や治療開発のターゲットとすべき患者サブグループを明らかにする研究⼿法、すなわち臨床研究から基礎研究へと繋げるリバース TR が必要である。我々は現在、進⾏性核上性⿇痺(PSP)と筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するリバース TR を進めている。PSP に対しては双⼦例のゲノム解析から filamin-A がタウ凝集の上流にあることを同定し、filamin-A 依存性タウオパチーの病態解明を⾏っている。ALS については孤発性患者の⾎清メタボロームにより進⾏速度に関連する代謝経路を同定し、それを起点とする治療法開発を進めている。本講演では、これらの取り組みを紹介し、難治性疾患に対するリバース TR のあり⽅を議論する。

問合せ先

脳研究所事務室 
TEL: 025-227-0388(内線0388), Email: seminar@bri.niigata-u.ac.jp

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