動物資源開発研究分野

小田 佳奈子 助教

インタビュー

三菱化学生命科学研究所、その後社会人学生として新潟大学大学院医歯学総合研究科で学位を取得、現在に至る

現在,脳研究所でどのような研究を行っていますか。

ヒトの疾患を再現し、その機序を解明する為には、遺伝子改変動物を使用した研究は欠かせないツールとなっています。そのような遺伝子改変動物を作成すること、バイオリソースとして保存することを中心に研究を行っています。また受精卵の発生初期の生殖工学的操作がその後の個体発生に及ぼす影響の解析や、欠損した臓器を胚盤胞補完法を用いて再生させる研究も行っています。

どうして研究者になろうと思ったのですか。また、これまでの研究キャリアにおいて、印象的なこと、感動したこと、喜び、など思い出を教えてください。

漠然と「白衣を着る仕事」に憧れがありましたが、研究者になろうと思ったことは実はありません。学生時代に細胞の分化転換を研究する研究室に所属し、研究することの面白さに触れました。そこで同郷でありました前教授の横山峯介先生と出会い、その後は自分が求められる場所で必要とされる技術を習得し、またその技術を提供するという事を繰り返し、現在に至っています。

プライベートとの両立をどのように行っていますか。工夫していることや心がけていることなどを教えてください。

両立は難しいですが、可能なかぎり時間を決めて取り組んでいます。その為に所属分野の皆さまにはご協力を頂いており感謝しています。また休日や夜間に作業を行う際は、家族の協力も欠かせません。サポートとして、事業所内保育園が大学敷地内にあり、信頼できる先生方や学内に保護者の皆さんがいることはとても心強いです。

研究者を目指している方へメッセージをお願いします。

特別なことではなく、職業の一つとして「研究者」を選択できる環境となるよう協力していけたらと思います。

Interview02.・・・2022年11月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

腫瘍病態学分野

岩倉 百合子 助教

インタビュー

日本学術振興会特別研究員、ニューヨーク大学スカボール研究所研究員を経て、現在に至る

現在,脳研究所でどのような研究を行っていますか?

脳神経系では、正常な神経伝達には「神経伝達物質」が、細胞の生存と発達には「神経栄養因子」が、それぞれ欠かすことができません。近年、これらは独立して作用するだけでなく、お互いが調節し合う「クロストーク(相互作用)」によって様々な作用を示すことがわかってきました。神経細胞の正常な発達において、あるいは統合失調症などの疾患において、こういった神経伝達物質と栄養因子のクロストークがどのような役割を果たしているのかを研究しています。

どうして研究者になろうと思ったのですか?

学生時に那波教授の講義を受講し、脳神経研究に初めて触れました。わずか1500gの人の脳の中に、あるいはたった一つの神経細胞の中に、まるで広大な宇宙が入っているように感じ、とてもワクワクしたことが始まりだったと思います。

研究者として働く上でのメリットや,研究者として働いていてよかったと思うことを教えてください。

研究職のメリット:裁量労働制と独立制に準ずる職業なので、やったこと・やらなかったことが全て自分に返ってきます。その反面、仕事量や時間の配分をフレキシブルに行える部分があるので、家庭や子供を持った時に働き方の調整をしやすいように思います。
研究者で良かったこと:脳細胞や脳機能の仕組みを解明しようとする基礎研究は、現在では様々な脳神経疾患・障害の解明や、治療法を確立するための基礎ともなっています。その点を常に意識して研究を続けたいと考えますし、研究結果がそのような形で社会へ還元される点にやりがいを感じています。また、研究や授業だけでなく、国内外の学会参加や留学、オープンラボでの中高校生への実習、大小様々な運営業務なども仕事の一部です。研究は狭い世界に閉じこもって行う部分もありますが、自分の想像以上に沢山の人々との繋がりがあり、多様な仕事ができることが面白いです。

プライベートとの両立をどのように行っていますか。工夫していることや心がけていることなどを教えてください。

日々綱渡りでなかなか両立できているとは言えず、家族や所属研究室の皆様のご理解とご好意に寄るところが大きいです。現在は、男女共同参画推進室より、ワークライフバランス支援員雇用制度の助成を受けており、精神的にも余裕を持つことができています。十分ではありませんが、仕事でも家庭でも事前の準備と計画をすること、出来ることには全力で取り組む・出来ないことには代替案を出すこと、は心掛けるようにしています。

Interview01.・・・2018年2月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

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