医歯学総合研究科 医科学専攻 修士課程

五十嵐 航平

1日のスケジュール

インタビュー

現在,脳研究所でどのような研究を行っていますか?

「脳梗塞により損傷された回路の再編メカニズム」について研究しています。脳梗塞は脳・脊髄の神経回路の損傷を引き起こすことにより, さまざまな後遺症の原因となります。研究室では, 脳梗塞により運動麻痺を生じたモデルマウスを用い, その神経回路の再編と運動機能の回復に関わるような遺伝子を探索しています。未だに不慣れな実験も多く試行錯誤の毎日ですが, 脳梗塞による運動麻痺を根治するような新規の治療法へつながりうる重要なテーマなので, やりがいを感じながら研究に取り組んでいます。

どうして脳研究所の研究者になろうと思ったのですか?

いつか見たテレビ番組で神経組織の可塑性について紹介されていたのですが, その内容に刺激を受けたことが, 神経科学に興味を持ち始めたきっかけでした。それ以来, 複雑で多様な機能を担う神経系の仕組みと, その柔軟性(可塑性)に強い関心を持っていました。大学院の進学先について悩んでいた時, 「せっかくなら自分の興味を突き詰めてみたい....!」と思っていろいろ調べていくうちに, 新潟大学脳研究所の存在を知りました。修士課程の研究に特に集中できそうな環境であると感じ, 入学を決めました。

ご覧の方にメッセージをお願いします。

私は学部4年間で物質科学を専攻していたため, 生物学や医学の知識は素人レベルでした。そのため医歯学総合研究科に入学する前は不安があったのですが, 何より研究室の皆さんに温かく迎えていただき, 丁寧に指導していただけるおかげで順調な研究生活を送ることができています。私のように専門外の方であっても, 神経科学研究を通して生物・医学分野へ視野を広げるには, 脳研究所はとても充実した良い環境であると思います。

Interview05.・・・2022年11月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

医歯学総合研究科 分子細胞医学専攻 博士課程

秋山 夏葵

1日のスケジュール

インタビュー

現在、脳研究所でどのような研究を行っていますか?

脳虚血・タウ蛋白蓄積・神経保護を大テーマに研究に取り組んでいます。脳梗塞では運動麻痺や言葉の障害、認知機能低下などがおこりますが、それらの症状は脳梗塞後の脳内でダイナミックな環境変化がおきた結果です。多彩な環境変化のなかでも、"炎症(=障害性)と抗炎症(=組織保護性)"のバランスに注目し、脳内炎症バランスにおいて重要な役割を果たすミクログリアの性質を活かして、脳梗塞後の組織障害や認知機能障害を少しでも防ぐことができないかと考えています。

どうして脳研究所で研究しようと思ったのですか?

脳研究所では、臨床と基礎が融合した研究が多く行われていることが最大の理由です。また新潟大学の脳神経内科に所属していましたので、大学院進学を考える上で脳研究所を選ぶことは自然なことでもありました。脳研究所の充実した研究環境については身近な先輩方からもお話を伺う機会があり、進学後のイメージもつきやすく、ぜひ脳研究所で研究に携わりたいと思いました。

脳研究所への大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。

私は臨床医として勤務する中で、日々の診察における所見や症状を観察しながら、「今この患者さんの脳内ではなにが起きているのか」「この所見が現れる患者さんだけに共通して起きていることはなんなのか」などをより深く多方面から学びたいと感じ、大学院への進学を希望しました。そういった臨床と基礎の相互関係は、脳や神経における大きな魅力だと強く感じており、私にとって最大のモチベーションです。私の例はほんの一例ですが、もし少しでも脳や脳疾患に興味・関心があれば、脳研究所での大学院進学を検討されると良いと思います。脳研究所では、脳とその疾患の解明と克服を目指す研究者の方々の熱意が溢れています。

Interview04.・・・2022年11月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

医歯学総合研究科 生体機能調節医学専攻 博士課程

古寺 一樹

1日のスケジュール

インタビュー

現在,脳研究所でどのような研究を行っていますか?

「パーキンソン病」と「自閉症」をキーワードにして研究に取り組んでいます。パーキンソン病では、その病態に関わるかもしれない機能のよく分かっていない遺伝子の解析を行っていて、分子生物学的な基本となる実験を何度も地道に積み重ねています。自閉症については、ゼブラフィッシュの持つ特性を活用してその機序にせまれないか模索しています。

どうして脳研究所の研究者になろうと思ったのですか?

初めて脳研究所に足を踏み入れたのは実は新潟大学の医学部生時代で、基礎配属のカリキュラムでした。その2か月間がとても充実していて、当時私を担当してくださった博士課程の大学院生の方は今も憧れの存在です。卒後小児科医となり小児疾患の中でも神経系を勉強していこうと心を決めた矢先、脳研究所で研究に携わるチャンスをいただき、今に至ります。

ご覧の方にメッセージをお願いします。

脳研究所の様々な部門にはそれぞれ特色がありますが、いろいろな研究に触れるにつれ、脳研究所は脳機能や神経疾患ばかりを扱っているかというとそうではないと感じ始めました。入口は神経でも、神経を介して生命現象の根幹を探る、と私が言っても壮大すぎて力不足ですが、研究テーマは神経の領域を超えていくものもあります。研究生活を送っていると、実験などうまくいかないことも多いですが、誰も知らないことを自分が明らかにしようとしている、という研究の本質を感じながら、代えがたい日々を送っています。

Interview03.・・・2021年10月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

医歯学総合研究科 生体機能調節医学専攻 博士課程

Ramil Gabdulkhaev

1日のスケジュール

インタビュー

現在,脳研究所でどのような研究を行っていますか?

私の所属している研究室は、ヒトの神経系疾患の病理学を中心に研究を行っています。 研究の範囲は非常に幅広く、いくつか挙げると、神経変性疾患、腫瘍形成過程、様々な奇形、自己免疫疾患などを研究しています。 私の現在の研究テーマは、レム睡眠行動障害の神経病理学です。 この病気は、簡単に説明すると、レム睡眠中に不快で鮮明な夢(追われたり襲われたりするような暴力的で攻撃的な夢)を見たり、 筋活動抑制が失われて手足の激しい動き(殴る、蹴る)をしたりして、 患者さんや一緒に寝るパートナーに外傷を与えてしまうような特有の行動を示します。 この病気の興味深いところは、いわゆるシヌクレイン病の発症が10年以上も先行することです。 シヌクレイン病は神経変性疾患の一群であり、神経細胞の脆弱な個体群にαシヌクレインが蓄積することを特徴とし、 パーキンソン病、多系統萎縮症、レビー小体型認知症などの疾患がそこに含まれます。 レム睡眠行動障害はシヌクレイン病への進行を予測する強力な要因なので、この研究により、 睡眠のレム期がどのように制御されているのか、また、パーキンソン病、多系統萎縮症、レビー小体型認知症が発症する何年も前に、 特定の神経細胞個体群がαシヌクレインの蓄積に対しどのように脆弱になっていくのかを明らかにすることができると思われます。

どうして脳研究所で研究しようと思ったのですか?

私にとって、脳神経内科と脳神経外科は以前から最も興味深い分野です。 医学部の学生だった頃、これらの分野に可能な限り携わろうと思っていました。 母校の卒業が近づくにつれ、私は基礎研究を続けるとともに、臨床と実践的な側面にも取り組みたいと考えました。 幸いなことに、私が医学士号を取得したカザン医科大学は脳研究所と研究交流をしていることから、 奨学金を申請し新潟大学で教育を継続する機会を得ました。 脳研究所は、脳神経内科・脳神経外科領域の研究を行うための優れたプラットフォームを持っており、 最先端の基礎研究や臨床研究を行うことができるだけでなく、 その分野の第一人者から指導を受けることができる唯一無二の機会を提供してくれます。 さらに、日本は研究水準の質が高いことで知られていますので、 研究の進め方やその研究分野に影響を与えるような成果を出す方法を脳研究所で学ぶことができると思います。 最後になりますが、私は以前から日本とその文化に魅了されていましたが、 脳研究所で学ぶことで日本をより身近に感じ、新しい言語を学び、視野を広げることができています。

脳研究所への大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。

脳研究所への大学院進学を考えているのであれば、迷わず出願することをお勧めしたいと思います。 脳研究所は豊かな歴史を持ち、基礎から臨床まで(または両方を併せて)幅広い研究テーマを扱っている優れた研究機関で、 他に類を見ない経験をすることができます。ここの研究環境はとても刺激的で生産的です。 脳研究所から目を移し新潟県という場所を見てもここは素晴らしいところです。ここの自然は魅力的で、観光で訪れるのに良い場所もたくさんあります。スノーボードやスキーが好きな人には特にお勧めです。新潟県には50ヶ所以上のスキー場がありますので、 見事な山や美しい風景の中でスノーボードやスキーをするのが好きな方にとっては訪れるべき場所です。

Interview02.・・・2021年2月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

医歯学総合研究科 分子細胞医学専攻 博士課程

齋藤 祥二

1日のスケジュール

インタビュー

現在,脳研究所でどのような研究を行っていますか?

「脳血管障害の病態解明と新規治療方法の確立」をテーマに研究を行なっています。 主にトランスジェニックマウスやウイルスベクターを用いて遺伝子操作することで、 疾患モデルマウスを作り、その解析を行っています。脳の病態に関する最新の知見や、 基礎実験に関わる知識、技術を丁寧に指導いただきながら、 仮説を立て、実験を計画し、結果を検証するという一連のプロセスを重ねることで、研究を進めています。

どうして脳研究所の研究者になろうと思ったのですか?

新潟大学は母校ですので、大学院生として脳研究所への進学は特に抵抗がありませんでした。 ただ、そもそも新潟大学への進学を決めたのは脳研究所の存在がとても大きかったです。 「脳に関わる仕事がしたい」と思いこの地へ来ましたので、 今、脳研究所でさまざまな分野のエキスパートの先生方のご意見をもらいながら研究生活を送れていることは、 非常に幸せなことと感じています。

ご覧の方にメッセージをお願いします。

この研究所は「脳」をテーマとして、基礎から臨床まで多岐にわたる専門分野が揃っています。 「こんなことをしてみたい」と想像したことを、具体的な研究のかたちにできる環境があります。 医学部をはじめ学内の他分野との連携も敷居が低いので、いろいろな角度からの意見をもらい研究を進めることができます。 「脳のことが知りたい」、 「脳疾患の研究で患者さんの役に立ちたい」という方は、ぜひ脳研究所でともに研究しましょう。

Interview01.・・・2021年2月時の所属とインタビュー内容を掲載しています

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