研究成果・実績

アクアポリンの発現が脳腫瘍の悪性度に深く関与することを解明し、新たな画像診断方法を提唱

2017年06月01日

概要

脳研究所統合脳機能研究センターは、脳神経外科学・病理学分野と共同で、脳腫瘍におけるアクアポリン‐1,4(AQP1,4)の発現が、悪性度に強く関与していることをPET画像を用いて解明しました。この研究は、世界に先駆けて独自に開発したAQP1,4のPET用薬剤[11C]TGN020を用いることにより、生体(ヒト)にて画像化する方法を確立したことから解析可能となりました。図1は悪性度の異なる脳腫瘍の[11C]TGN020-PET画像で、これらの集積の違いを解析評価したものが図2です。悪性度の高いグレードIVは明らかにグレードIIIより高い集積が認められます。

このことは、手術などの治療を行う前に、腫瘍の拡がりや悪性度を正確に評価することを可能とするもので、脳腫瘍の治療に大きく役立つことが期待されます。さらに、AQP1,4は、がん細胞の浸潤や増殖などに関与していることが示唆されており、今後これらをターゲットとした治療方法開発の可能性が期待できます。

(注)アクアポリン:細胞膜に存在し、水分子のみを選択的に透過させる水のチャネルで、細胞内の水の取り込みに関与しています。 
   PET:陽電子放射断層撮影と呼ばれる画像検査で、がん検診などで臨床的に応用されています。

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統合脳画像1
(図1)脳腫瘍の画像(左;グレードIII、右;グレードIV)、矢印に示された部分が腫瘍本体で、青色から赤色になるほど高い集積があることを意味しています。悪性度の高いグレードIVの部位が高い集積を意味する赤色を示しています。

統合脳画像1
(図2)グレードIIIとグレードIVの集積を比較した図で、明らかにグレードIVで高  値を示しています(p < 0.01)。Nは健常者の結果です。

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