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2017年03月24日

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第7回新潟大学脳研究所共同研究拠点国際シンポジウムを終えて

2017年3月10日(金)~11日(土),新潟大学脳研究所においてBRI共同研究拠点国際シンポジウム「Alzheimer's disease: Narrowing the gap between basic science and clinical application」が開催された。海外からKoo博士(University of California,San Diego,USA / National University of Singapore),Illiff博士(Oregon Health & Science University, USA),Lee博士(National Research Center for Dementia, Korea)によるspecial lectures,国内9人の講演者による講演,また学内外から15題のポスターが発表された。予想を上回るたくさんの参加者(2日間で175人)にお集まりいただき,お陰様で盛況なシンポジウムとなった。

今回のシンポジウムは,Alzheimer's diseaseをテーマに設定した。私たちは,Alzheimer's diseaseに対する根本的な対応策をいつ手にいれることができるのであろうか。アミロイドβ標的としたモノクローナル抗体療法やβ/γセクレターゼ阻害剤を用いたAlzheimer's diseaseの症候期を対象とした第III相臨床治験では,臨床的に意義のある薬剤効果を示すことができなかった。治療戦略の再考とAlzheimer's diseaseの診断・治療の新規標的が求められていることは明白であろう。モデルマウスで有効性を示すことができた病態修飾薬がヒトを対象とした治験では成功しないのは何故か。家族性Alzheimer's diseaseの原因遺伝子を組み入れたマウスと,多因子が複雑な病態を介し発症するヒト・Alzheimer's diseaseとでは,次元の異なるアプローチが必要となることを認識すべきであろう。Koo博士が講演の中で話されていた「Alzheimer's disease」と「Mouseheimer病」との本質的な違いを理解し,二つの概念を橋渡しする戦略を模索しながら,ヒト生体内で生じる複雑なAlzheimer's disease病態を丁寧に紐解いていくことが求められている。今回のシンポジウムでは,ヒトで生じている「Alzheimer's disease」病態を強く意識し,オリジナルな診断・治療の標的を開拓してアプローチしている研究者が期せずして参集し,その方向性について忌憚のない議論をする機会となったように思う。今回のシンポジウムで議論した内容が,10年後のAlzheimer's disease医療に進歩に発展する嚆矢となることを期待したい。

最後にシンポジウムで発表いただいた演者の先生方,ご参加いただいた皆様,シンポジウムの準備や受付・会場係を担当いただいた関係者に感謝しつつ,第7回国際シンポジウムのご報告を終える。

(文責:遺伝子機能解析学分野 池内健 教授,統合脳機能研究センター 五十嵐博中 教授)

1日目の様子
2日目の様子

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